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父ちゃんからの手紙

Vol.18 福島県福島市

林太郎へ

 父ちゃんは不思議な沼の前に立っています。遠くから見ると、絵の具を溶いたように美しい水色。近づくとすっと色がなくなり、沼の底が透けて見えます。

 ここは福島県磐梯朝日国立公園。約130年前、磐梯山が噴火したとき、ここにいくつもの沼ができました。それらの沼は季節や見る角度によってさまざまに色を変えることから、五色沼(ごしきぬま)と呼ばれています。水色、赤色、緑色。とっても不思議です。この美しい色の秘密はなんでしょう。父ちゃんは水だと思っていました。それが、違うのです。底に沈んでいる鉱物や植物の種類が沼の色を決めているそうです。水はただ透明なだけ。

 沼の周りを歩いていると、美しい水色の水の中をたくさんの魚が泳いでいるのが見えました。いったい魚たちから父ちゃんを見ると周りは何色に見えるのでしょう。

公文健太郎プロフィール

1981年生まれ。1999年から、ネパールを舞台にドキュメンタリー写真を撮り続け、写真集やエッセイ、写真展などで発表。また、近年は世界各地にテーマを持ち、作品づくりを続けている。写真集に『大地の花―ネパール 人びとのくらしと祈り―』(東方出版)、『BANEPA―ネパール 邂逅の街―』(青弓社)、フォトエッセイに『だいすきなもの―ネパール・チャウコット村のこどもたち―』『ゴマの洋品店―ネパール・バネパの街から―』(ともに偕成社)などがある。2012年日本写真協会新人賞受賞。

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