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父ちゃんからの手紙

Vol.8 和歌山

林太郎へ

 しとしとと雨が降っています。それでも山は久しぶりの雨を喜んでいるようです。赤や黄色に色づく山の木々の中で、ひときわ輝いているのが、熟れた柿たちです。山のあちこちに濃いオレンジ色の柿の実がぶら下がっています。

 父ちゃんはお正月に飾る「くし柿」で有名な和歌山県伊都(いと)郡に来て います。あいにくの雨で柿を干す作業はお休みですが、お陰でいいことがありました。山道を歩いていると、おばあちゃんが雨宿りを勧めてくれたのです。おばあちゃんは柿のことを、そして、父ちゃんは林太郎たちのことをたくさん話しました。帰り際、おばあちゃんが袋いっぱいに大福をくれました。お誕生日を迎える林太郎へのプレゼントだそうです。よかったね、林太郎。

※くし柿は、柿を長い竹ぐしに横並びに刺して干した物で、正月の鏡もちの飾りとして使われます。

公文健太郎プロフィール

1981年生まれ。1999年から、ネパールを舞台にドキュメンタリー写真を撮り続け、写真集やエッセイ、写真展などで発表。また、近年は世界各地にテーマを持ち、作品づくりを続けている。写真集に『大地の花―ネパール 人びとのくらしと祈り―』(東方出版)、『BANEPA―ネパール 邂逅の街―』(青弓社)、フォトエッセイに『だいすきなもの―ネパール・チャウコット村のこどもたち―』『ゴマの洋品店―ネパール・バネパの街から―』(ともに偕成社)などがある。2012年日本写真協会新人賞受賞。

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