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大事です。親子間の言葉のピンポン

 『○○ちゃん、今日のお昼ごはんは何食べたいの?』「ええっとね〜」『ええ〜じゃ、わからないでしょ。そうそうカレーにしましょうか。○○ちゃんはカレーが好きなんだものね』「ううー、あのね〜」『そうしましょ、そうしましょ』。

 あなたのご家庭でもこんな会話はありませんか。ごくありふれた親子の会話ですよね。でも、何だか親が一方的に話しているだけで、子どもは何にも応えていません。  親が何を食べたいか聞いて、子どもはどんな物をイメージしたでしょうか? また、本当にカレーが食べたいのでしょうか? つまり、双方の会話がきちんと成立していないと本当のところはわからないのです。

 子どもとの会話は、どうしても子どもからの返答がスローになりがち。ですから、ついつい親はじれったくなって、「こういうことじゃないの」とか、「早く言いなさいよ」などとせかしてしまいます。でも、子どもは、自分の思っていることをあれこれ考えて、子どもなりに親に伝えたいと真剣なのです。それで、どうしてもゆっくりになってしまうのです。

 子どもとの会話のときは、親は、「何が何でも気長に!」と腹をくくっておきましょう。「ええっとね〜」と言い始めたら、今、真剣に考えているんだなと、にこにこ笑って待ってあげてください。そのうち、必ず、自分の考えを言い始めます。決して先回りをしないようにしましょう。

 言葉のやりとりはなぜ大切なのでしょうか。私たちが相手とのコミュニケーションを図る手段として、言葉のやりとりは絶対に欠かせません。また、相手とのやりとりは単語だけでも成立しません。自分の言いたいことを頭のなかで考えて、言葉を組み合わせて伝えたい内容を表出しているのです。それには、かなりの思考力を要します。

 従って、子どもの思考力を育てるには言葉のやりとり、すなわち親子の会話が絶好のチャンスなのです。そのチャンスの芽をつぶしては、実にもったいないとは思いませんか。

池澤 純二

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