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「拡散思考力」

 思考力には、「集中思考」と「拡散思考」と呼ばれるものがあります。「集中思考」とは、ある考えのもとに与えられた課題の結果を出す考え方であり、答えが決まっています。算数で言いますと、例えば、「3+6はいくつですか」という問題です。答えは一つしかありませんね。また、理科で言えれば、「この中で磁石につくものはどれですか」といった磁石の特性にちなんだ問題です。これも答えは限られています。このほか、「神奈川県の県庁所在地は?」など社会科的な問題もあります。

 従来の学校のテストの問題はこのように限定された答えになるものが中心でした。これに比べ、「拡散思考」では、柔軟な発想力が要求されます。例えば、「ここにリンゴがあります。このリンゴを題材にしてできるだけ多くの問題を作ってください」という課題です。

この課題に対して・・・
●リンゴを縦に切ったらどんな断面になりますか?
●リンゴは水に浮きますか?
●リンゴと同じくだものをできるだけあげてください
●リンゴの皮をむいていったらどのくらいの長さになりますか?
●リンゴの収穫の多い地方はどこですか?

・・・など、たくさんの問題を作るために、いろいろな角度から思考することが必要になるのです。こういった「拡散思考」の考え方はこれからの時代に必要な「創造力」を育む上で、今後ますます重要になってきます。

 「拡散思考力」をつける幼児期の経験にはどんなものがあるのでしょう。それは、折り紙をクシャクシャにして画用紙にはり、どんな形に見えるか想像して、例えば鳥や家や動物に見立てて絵を描き加えさせることや、画用紙にたくさんの〇を描いて、その〇から連想するもの例えば、時計やドーナツ、皿などの線を描きたしてたくさん作る遊びなどがあります。

 また、ことさら特別な遊びだけということではなくて、子どもの遊びのなかには、こういった拡散思考力を育てる遊びが結構あります。砂場で、いろいろな形を作って遊んだり、積み木でいろいろな形を工夫したりするのもそうです。従って、親は、子どもたちが自由に発想したことに対して「それは違うよ。こうだよ」といったブレーキをかけず、温かく見守ってあげてほしいのです。

池澤 純二

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