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鉛筆を正しく持たせたかったら・・・

 世のお母さんやお父さん方はお子さんが誕生したときは、とにかく健康ですくすく育ってくれればよい、とそれのみを念じ、一生懸命子育てに励みますよね。ところが、子どもが何事もなく元気に成長してきますと、だんだん夢が広がり、健康であればよいという願いから、できれば頭も良くなってほしいとか、思いやりのある子になってほしい、などと思いが強まってきます。

 その一つとして、子どもが文字に関心を持ってくると、鉛筆を用意して字を書かせようとします。子どもは両親が勧めるものですから、鉛筆を握って書こうとします。これらの行為は、子どもが興味をもって取り組んでいるならば、別に問題があるというわけではありません。

 ただ、鉛筆を正しく持っているかどうか、ということが肝心なのです。間違った持ち方をし続けると、癖になってしまい、小学校へ上がると直すのに大変苦労します。小学校の先生にお伺いしますと、間違った持ち方の典型的なものは、親指の腹で鉛筆を支える持ち方、あるいは、親指の上に人差し指を重ねる持ち方が圧倒的のようです。

 その原因は、やはり、手指の力がついていないうちに持たせたからというのが一般的なようです。元来子どもの手指の成長を見てみますと、まず手全体で棒状のものを握る、次にその持ち方で、上から下、斜めといった線をメチャ書きする、さらにその持ち方で、クレヨンやクレパスを握って描くといった発達のプロセスがあります。

 また、折り紙、粘土、はさみ、お絵かきなどの造形遊びやひもを結ぶ、シャツのボタンをはめる、歯を磨くといった日常生活などの経験を重ね、自然に、手ないしは指の力を育てているのです。このような経験を通して手指の力がついた後に鉛筆を持たせると、身についてくるというわけです。そうするためには、数年間の育ちが必要なのです。

 従って、鉛筆を持たせるのは早ければよいということではなく、こういった手指を使う遊びをたっぷりさせると同時に、子どもが文字に興味を持ったときがよいというわけです。そのことを考え合わせますと、個人差はありますが、やはり、早くても4歳くらいからが妥当かと思われます。

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